2014年1月22日

各位

フリービット、総務省委託「ICT街づくり推進事業」として、唐津市と共同で、地域ブランドスマホサービス・M2M/ビッグデータ技術・独自健康チェックアルゴリズムを活用した「高齢者向け安心見守り・健康相談システム」の実証実験を1月27日より正式開始
~中期経営計画「SiLK VISION 2016」で掲げる「生活革命」領域での来年度の事業化に向け、高齢者向け住宅において急拡大する「生活相談」「安否確認」ニーズを満たす高齢者向けサービスの実証実験を実施~

フリービット株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:石田宏樹、以下「フリービット」)と佐賀県唐津市は、2013年6月に合意したコンパクトスマートシティサービスにおける実証事業の第一弾として、唐津市の既設光ファイバーインフラとフリービットのMVNOインフラ(YourNet MVNO Pack)を活用し、一般邸宅に住む高齢者の方々を対象に成長著しい「サービス付き高齢者向け住宅」※1における安心見守りサービスと同様のサービスをICTで提供することを目指す「高齢者向け安心見守り・健康相談システム」の実証実験を開始することをお知らせします。
なお、本実証事業は、総務省が進める「ICTスマートタウン」の実現に向けた「ICT街づくり推進事業」の委託事業として行われ、来年度に事業化を目指すものです。

世界は、2050年に向けて「資源が有限であるということ」と「高齢化問題」という人類の存続に関わる大きな課題に直面しており、株式会社三菱総合研究所 理事長(元東大総長) 小宮山宏氏は、日本はこれらの課題を他国よりいち早く経験する「課題先進国」であると位置づけています。フリービットは、中期経営計画「SiLK VISION 2016」において、2050年に向けた課題解決型のビジネスを戦略の中心に据えています。

唐津市は、「響創のまちづくり」を基本理念に、光ファイバーを全市に敷設するなど情報基盤や公共インフラの整備、人材育成、新エネルギー事業の推進、国際交流、産業活性化等、様々な施策を進めてきました。
特に、全国平均を上回る、25.9%という高齢者率(平成22年)にあり、「4人に1人が高齢者」である時代を踏まえ、健康増進計画「からつ元気いっぱい健康プラン21」の中で、「健康寿命(健康で自立して暮らすことができる期間)の延伸」を目標として掲げています。

フリービットは、2008年より唐津市に大規模BPOセンター「SiLK Hotlines」を開設し、独自のIT技術を持って日本全国のインターネットユーザーのサポートを行ってまいりました。通算11回のカスタマー満足度No.1を獲得した実績を背景に、現地の教育機関と連携しつつ、フリービット本体の人材教育及びノウハウを提供することで、唐津市において継続的にIT人材の輩出を可能とした仕組みづくりに成功しています。

こうした背景のもと、2013年6月にフリービットと唐津市は、コンパクトスマートシティの実現に向けた実証事業で合意しました。

その第一弾として、総務省から委託を受けて実施する「ICT街づくり推進事業」において、フリービットは、唐津市に位置するSiLK Hotlinesを拠点とし、地域MVNO・M2M/ビッグデータ技術・独自健康チェックアルゴリズムを用いた「高齢者向け安心見守り・健康相談システム」の提供を唐津市と共同で開始し、来年度の事業化を見据えた実証実験を行います。

高齢化が進む日本において、高齢者向け市場は2025年に101.3兆円規模に成長するとされています※2。特に、「医療・医薬分野」、ヘルスケア等の「生活産業分野」に比べ、最も成長率の高い市場が、高齢者の日常のケアを行う「介護分野」であり、施設費用の高騰や供給不足が叫ばれる中で、ケアの提供場所を要介護度の高い施設から、高齢者向け住宅や在宅分野にシフトする動きが進んでいます。 国土交通省は、「生活相談」「安否確認」サービスを提供し、管理者が日中に常駐する等の基準を持つ「サービス付き高齢者向け住宅」の整備を進めており、2011年の登録制度開始以来、年間約6万戸の増加、2020年までに約60 万戸の供給を達成することを政策目標としています※3。有料老人ホームの様な施設と比べて居住者の自由度が高く、自宅に比べて設備やサービス面で安心感があるサービス付き高齢者向け住宅の市場規模は、2020年に1兆円近くに達すると予測されています※4

フリービットでは、サービス付き高齢者向け住宅で登録基準として定められるなど、急速にニーズが高まる「生活相談」「安否確認」といった分野において、独自のICT技術を活用した高齢者向けソリューション事業の開発を行っていきます。

具体的なシステムのサービス内容については、以下の通りです。

高齢者向け安心見守り・健康相談システム

フリービットは、専門的な判断が求められる予防/健康チェック分野に特化した「生活相談」支援サービスとセンシング技術を活用した「安否確認」支援サービスを提供することで、健康かつ自立した高齢者の生活を支援いたします。
実証実験では、機器の設置たった1時間で、独居高齢者が住む一般住宅を擬似的な「サービス付き高齢者向け住宅」に変え、サービスを提供していきます。

高齢者向け安心見守り・健康相談システムの相関図

高齢者向け安心見守り・健康相談システムの相関図

「生活相談」支援サービス「生活相談」支援サービス

(1)独自健康チェックアルゴリズムによる健康相談システム

アプリケーション初期画面

アプリケーション初期画面

高齢者宅に専用タブレットを配布し、インストールされたアプリケーションから自分1人で24時間365日、健康に関するセルフチェックを行えます。
質問に答えていくだけで、重篤度を判定し、利用者である高齢者に以下の高度な情報を提供します。

■受診の推奨時期
■推奨診療科
■症状に対する処置対応

一般的に、「病院にかかったほうが良いかどうか」という判断は、これまでは、高度な医療人材でない限り、高齢者向け住宅管理者等のケアサービス人材では判断できないケースがほとんどでした。
フリービットは、専門医の診断に至るロジックを「独自健康チェックアルゴリズム」としてシステム化し、誰もが高度な判断情報にアクセスできるようにしました。

表示される推奨診療科から佐賀県医療機関情報・救急医療情報システム「99さがネット」のデータベースと連動し、シームレスに佐賀県内の病院・診療所情報を確認、連絡をすることが出来ます。

アプリケーション利用の流れ

アプリケーション利用の流れ

(2)健康相談コールセンター

(1)の健康相談システムをSiLK Hotlinesコールセンターのオペレーターを通じて行うことができます。タブレット端末の操作が苦手である高齢者や、端末が手元にない場合でも、電話一本で自身の健康状態から病院情報の提供までをサポートいたします。

「安否確認」支援サービス「安否確認」支援サービス

(1)見守る側にも見守られる側にも優しい独自センシング

プライバシーに配慮された、3種類のセンサーが高齢者の安否を見守ります。

高齢者宅センシングイメージ

高齢者宅センシングイメージ

  • A)μ波ドップラーセンサー
    周波数運動の検知で、対象者の体動と呼吸をサーバにアップロードします。独自の判定アルゴリズムによって異常を検知し、家族等の見守り担当者に確認依頼のメールが自動的に送信されます。夜間での外出がないか等の高齢者の行動パターンを把握する「耳」としても活用されます。
  • B)Kinectセンサー
    対象者のモーションを検知し、骨格映像のみをサーバにアップロードします。撮影映像をそのまま見られてしまうネットワークカメラ等に抵抗がある高齢者でも、見守る側が「プライバシーに配慮した形で」遠隔での映像確認を行えます。高齢者の状態をいざという時に確認できる「目」として活用されます。
  • C)独自の環境センサー

    独自開発の環境センサー

    独自開発の環境センサー

    実証事業期間中、高齢者宅に設置した独自の環境センサーを含む各種センサーと健康器具から取得する生体データを収集し、大規模クラウドサーバによるビッグデータ分析を行っていきます。独自の環境センサーは、温度・湿度・照度・モーション・気圧・集音といった、家庭内の環境についてセンシングする機能を備えております。

(2)常に見守れる唐津スマホ

唐津スマホ見守り画面イメージ

唐津スマホ見守り画面イメージ

フリービット独自の地域MVNOによって、市民に実証期間中、「無料」スマートフォンを提供することが可能となりました。実証事業で使用されるスマートフォン「唐津スマホ」では、ワンタッチで、高齢者の体動と呼吸の状態を常に確認でき、異常時にすぐに連絡が可能です。

実証実験後のビッグデータ解析について

実証事業期間中、高齢者宅に設置した独自の環境センサーを含む各種センサーと健康器具から取得する生体データを収集し、大規模クラウドサーバによるビッグデータ分析を行っていきます。
従来、見過ごされてきた環境データと、人体の持つ生体データをそれぞれセンシングし、それらの各種相関関係を分析することによって、対象者が日常の中では全く気づかない生活習慣の傾向や危険性を発見するなど、ビッグデータ思考を持つインターネット企業だからこそできる有益なサービスの開発を行ってまいります。

総務省委託事業「ICT街づくり推進事業」について

本実証事業は、ICTを活用した新たな街づくりについて検証するための実証プロジェクトとして、総務省より唐津市、フリービット、株式会社コアラ、公益財団法人ハイパーネット社会研究所と共同で受託し、実施するものです。
フリービットでは、既に、防災・減災及び市民のICT利活用の重要インフラとなる地域MVNO事業として、「唐津スマホ/唐津SIMカード」を唐津市民向けに無料で提供しました。

本実証事業は、フリービットが掲げる中期経営計画「SiLK VISION 2016」に基づき、今後急成長が予想される「モバイル革命」「生活革命」に向けた重要施策であり、サービス開発に取り組んでまいります。

フリービットは今後も「Being The Net Frontier! インターネットをひろげ、社会に貢献する」という企業理念のもと、法人のお客様並びにエンドユーザー様に快適なサービスを提供できるよう努めてまいります。

以上

※1  サービス付き高齢者住宅とは、高齢者の居住の安定を確保することを目的として、バリアフリー構造等を有し、介護・医療と連携し高齢者を支援するサービスを提供する住宅。国土交通省は、2011年の登録制度開始以来、年間約6万戸の増加、2020年までに約60 万戸の供給を達成することを政策目標としている。

※2  2012年5月7日 みずほコーポレート銀行 産業調査部「特集:日本産業の中期展望」より

※3  国土交通省 政策クローズアップより

※4  株式会社富士経済 「Welfare関連市場の現状と将来展望 2012」より

フリービット株式会社について

フリービットは、独創的なインターネット技術と事業企画力によって、クラウド化する社会に対応する「Smart Infra提供事業」を行っています。特許取得技術を含む最先端のテクノロジーと市場のニーズを先取りするマーケティングを組み合わせることで、他の追随を許さない独自のネットワークサービスを展開し、「IT時代のものづくり」をキーワードに新たな価値の創造に努めております。

【報道関係者からのお問い合わせ】
フリービット株式会社 CEO室 グループ広報担当
Mail: press@freebit.net  電話番号:050-7535-0524

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